コラム

2021.06.15.

木造アパートは地震に弱いですか?

木造アパートは地震に対して弱いのでしょうか。この記事では、木造アパートを検討されているみなさまに安心・安全な木造アパートを建築していただけるように、木造アパートと耐震性能について解説していきたいと思います。

木造アパートは地震に強くなってきています。

木造アパートは地震に弱いのでしょうか。結論から言うと、「新築の木造アパートなら強い地震でも安心です。」

その理由の一番のポイントとなるのが耐震基準です。アパート建築を検討されている方の多くが、「耐震基準」という言葉を耳にしたことがあるかと思いますが、耐震基準には大きく次の2つがあることはご存知でしょうか。

  • 旧耐震基準(1981年5月31日以前に建築確認が行われたもの)
  • 新耐震基準(1981年6月1日以降に建築確認が行われたもの)

新築の木造アパート建築を検討されている方は問題ありませんが、中古の木造アパートの購入を検討されている方は注意が必要です。

それでは、上記の耐震基準は何が違うのでしょうか。

旧耐震基準とは?

旧耐震基準とは1981年5月31日以前までの耐震基準のことを指します。具体的には震度5程度の地震でも建物が倒壊しないことを想定した耐震性能を基準としたものです。簡単に言い換えると、「震度5でも建物が倒れなければ大丈夫ですよ。」という旨の基準です。

新耐震基準とは?

一方、新耐震基準は1981年6月1日以降の耐震基準のことを指します。1978年に起きた宮城県沖地震では、震度5であったにも関わらず建物に多大な被害が出たことから、建物の耐震基準の見直しが行われ、ごくまれに発生する震度6強〜7の大規模地震が起きても人命に危害を及ぼすような倒壊が起こらない耐震基準となりました。また、旧耐震基準で想定されていた震度5程度の地震に対しては、倒壊しないことは前提で「建物の損傷もほとんどしないこと」が求められるようになりました。

新耐震基準は全ての構造種別に適用されます。

木造での建築を検討されている方ほど、旧耐震基準と新耐震基準について気にされる方が多いです。しかし、新耐震基準は、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の全ての構造について求められる基準です。したがって、「1981年6月1日以降に建築確認がされている木造アパートだから他の構造より安全だ。」という考え方は間違っていることを理解しておきましょう。

木造建築物は2000年の法改正でさらに厳しい基準が設定されています。

1995年の阪神・淡路大震災受を踏まえて、2000年に建築基準法が改正され、木造建築物にのみさらに厳しい基準が求められることになりました。この基準を業界では「2000年基準」と呼んでいます。

この話を聞くと、「1995年の阪神・淡路大震災で木造建築物の被害が大きかったから、建築基準法を改正する必要がでてきたのではないか?」と解釈される方が多くいらっしゃいます。

しかし、実際には阪神・淡路大震災による新耐震基準に基づいて建てられた建築物への被害は木造も含めて少なかったとされています。

2000年に建築基準法が改正された本当の理由は?

2000年に建築基準法が改正され、しかもそれが木造にのみ求められるようになった本当の理由は、木造建築物の建て方に起因します。

実は新耐震基準を満たしていたのにも関わらず、阪神・淡路大震災で被害を受けた建物も見受けられました。

その被害がなぜ起きたのか解明した結果、供給量の多い木造建築物においては、地耐力(地盤)に対する基礎の形が合っていなかったことや壁の配置(バランス)が悪かったことなどがわかったのです。

2000年の建築基準法改正で木造はどう変わったの?

少し専門的な話になりますが、2000年の建築基準法の改正で木造建築物に求められる基準は次のように変わりました。

  • 地盤に対する基礎の形状を特定(=事実上、地盤調査が義務化)
  • 木造の構造材とその場所に応じて継手、仕口の仕様を特定
  • 耐力壁の配置にバランス計算の適用が必要

つまり、木造で建物を建てる際には、より精度の高い設計が求められるようになったのです。

2000年以降の木造アパートなら地震がきても安全・安心は間違い!?

これまでの解説を踏まえると、木造建築物の方がより精度が高い設計・施行が求められているからより安全で安心なのではないかと思われがちですが、必ずしもそうとは限らないので注意が必要です。

2000年に施行された品確法が安全・安心の指標です。

2000年基準によって、より精度の高い木造建築物が求められるようになりました。木造アパートも地震に対してかなり強い水準になってきています。しかし、それでも、欠陥がある木造アパートが建てられてしまうケースがあるかもしれません。そこで、2000年に施行されたのが、「住宅の品質確保の推進等に関する法律」いわゆる「品確法」です。

2000年に施行された品確法の住宅性能表示に注目!

品確法を構成する「住宅性能表示制度」、「瑕疵担保責任の10年間の義務付け」、「住宅に関する紛争処理体制の整備」の3つの柱のうち、耐震性についてもっとも注目したいのが「住宅性能表示制度」です。住宅性能表示制度では等級でその性能が表されます。特に耐震性能に関する評価は「耐震等級」として表され1~3の等級があります。

建築基準法の要件よりも住宅性能表示の要件の方が厳しいことを理解しておきましょう。

この耐震等級1~3の性能を表示するには、建築基準法で定められた基準より厳しい要件を満たす必要があり、1~3と等級が高くなるほど満たさなければならない要件が厳しくなります。地震に強い木造アパートを作りたい方は、品確法と耐震等級について理解しておくとよいかと思います。

>>耐震等級とは

住宅性能表示ができるのは耐震等級だけではありません。

この住宅性能表示制度ですが、住宅の性能について評価を受ける項目は耐震性だけではありません。こと木造アパートに関していえば、最も大きなトラブルの原因となる音の問題についても、遮音等級でその品質を確保することができます。音の問題については、木造アパートの建築を検討されている方は必ず理解しておきましょう。

>>木造アパートの音の問題への対策方法を全て解説します。

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私たちモクゾウアパートビルダーズは、その名の通り、木造アパートに特化した木造アパート建築のプロフェッショナル集団です。

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